柊のはっぱは尖ってる

好きなものの、好きなところを、好きなだけ

#07 地球-そら-より熱く青い海で、あの歌を

7といえば、この方です。水樹奈々さん!

ちなみに今日の日付を足すと17なので、だからこそ昨日じゃなく今日にしたんですよ

 

 

ご結婚されたときに結構好きなところをたくさん書いた気もするんですが、それはそれとして。

 


好きな曲、にフォーカスしてみようかなと思います。

水樹奈々さん、曲数がとんでもないです。シングル41枚、アルバム14枚。ざっくり300曲くらいだと思います。
アルバムによっては収録されている既発曲はシングル1枚分しかないものもあったりするくらい、毎回のアルバムのみ曲やカップリング曲も気合が込められまくっています。既発曲もアレンジ版だったりしますし、アルバムだけ追ってれば大丈夫!なアーティストさんって多いと思うんですけど、奈々さんに関してはシングルのカップリングも聴き逃せません。

一曲ずつ紹介していくのは一生かけてしまうので、自分の再生回数順に紹介しつつ、近い歌詞テーマや、作詞家さんごとに触れて行きたいと思います。
ライブ映像やMVがあるものは埋め込み、そうではないものはリンクで表記してます。

 

ダントツで自分のiTunesで再生されてたナンバーワンソングは、35thシングル【Destiny's Prelude】に収録されていた、『Poison Lily』でした。

作曲は感覚ピエロの横山直弘さん、作詞は奈々さんではお馴染み、ももクロちゃんでもGOUNNなどでお馴染みのしほりさん。

攻撃力めちゃめちゃ高いロックな局長に、かなり小悪魔な、おそらく年上のお姉さまに翻弄される男を描いた一曲なんですが、奈々さんの「曲の主人公が男性な曲」は名曲が多いです。失恋を乗り越えられていない未熟な男の『大好きな君へ』や、結婚お祝いブログでも引用した不器用なプロポーズソングである『絶対的幸福論』なんかはもう、声優が歌ってるとかそんなの関係ないくらいの名曲だと思います。
「僕」目線の曲を女性が歌うと、なんとなく某人数の多いアイドルでよくある気がしますが、そんな感じではないんですよね。男を感じさせつつ、女性のまま、向き合って表現してくれている気がします。男役のように歌っているわけではないんだけど、感情を代読しているような…

 


再生回数順で次に来ていたのが32rdシングル【Angel Brossom】の『レイジーシンドローム』でした。
これも男性目線、ラップも織り交ぜた、ちょっと斜に構えた鬱屈とした男のむしゃくしゃした気持ちを奈々さんが爽やかに放り投げるように歌い上げる名曲です。

 

ロールプレイングゲームの中で
飽きるまで誰かになりたい

というフレーズが『レイジーシンドローム』を象徴しています。

以前は別、今は同じくキングレコードに所属されているSajiのヨシダタクミさんの作詞されてるんですが、彼の作詞曲は刺さる曲が多いです。前出の『絶対的幸福論』、『Rock Ride Riot』、『恋想花火』、『Go Live!』…ストレートなところもあるんですけど、ちょっと捻くれてるところもあって、寄り添ってくれる歌詞が多いんですよね…良い意味でヤンチャな感じ、斜に構えた感じが、それまでの奈々さんにあまりなかったので新鮮でしたね。


ちなみに、LDHのことをツイートしてるTwitter(意地でもXとは呼びたくない)は、@Poison_Riotなんですけど、Poison Lily と Rock Ride Riot からいただいてます。そのあとでランペちゃんのセカンドアルバムが「THE RIOT」になってびっくりしたものです。アルバム名由来と思われたこともあるんですが、全然別ジャンルから取ってました。

 

次は22ndシングル【Silent Bible】から『undercover』と、11thアルバム【SMASHING ANTHEMS】の『BRACELET』です。

稀代の作詞家、藤林聖子さんが作詞されている、泥沼恋愛曲です。藤林さんといえば特撮界隈では預言者との呼び声も高いですが、アニメやK-POP(の日本語バージョン)なんかもたくさんたくさん作詞されてます。レジェンド。もし自分が書いた作品が映像化することがあったら主題歌の作詞は絶対に藤林さんにお願いしたい。

藤林さん×奈々さんの曲、おそらく(抜けがなければ)17曲あります。ぶっちゃけ藤林さん×奈々さんで5000字くらい書けちゃいそうなんですけど、なるべくそうならないように…。17曲の中でも恋愛色の強い曲が先程の2曲と、『理想論』『夏恋模様』『ダーリンプラスティック』になります。

浮気・不倫をしている男との向き合い方を悩む女性を『undercover』、その女性の少し先を『理想論』、長すぎる冷めた恋を打ち壊そうとするも離れきれない『BRACELET』、幼い夏の恋を振り返る『夏恋模様』(三嶋プロデューサー激推し曲)、下北沢で過ごしていた頃の恋を思い出す『ダーリンプラスティック』……と、いろんな切り口の女性目線の曲になります。

曲調や歌い方でもちろん切れ味は違うんですが(最初3曲は切れ味ものすごいです、鋭角に抉りとってくる)、歌詞そのものを拾い上げると、曲の主人公の体温がわかる言葉、なんですよね。役者かつ歌手である奈々さんが歌っているからこそ、かもしれないですが。

例えば『undercover』は、ゾクゾクするような言葉選びがすごく多いです。

(1番サビ)
取り乱し 想いをぶつけて

すべてを壊したい

二度と元に 戻れぬほど

愚かに 失なってみたい

安らかなその吐息

誰にも渡せない

愛しながら 傷つけたい

泣き方を教えて


(2番〜サビ)

何かあること

あなたと彼女

そんなことずっと気がついてる

やがて晴れ渡る にわか雨なら

待てると思うだけ

 

疑いも持たない程

穢れのない 私が好き?

きっとそうね 演じながら

側にいるわ

 

一息にとどめさすような

言葉を密やかに

心の奥 愛の形

織り上げ あなたにあげましょう

過ごした時間分の

私を守るため

愛しながら 傷つけたい

冷たく熱い Love&Hate

サスペンス、とか、昼ドラ、みたいなことを言われてたりもするんですけど、編曲もかなりドラマチックで、ヒリヒリする曲になっています。
『BRACELET』も、タイトルのブレスレットは恋人からもらったアクセサリーを手錠の暗喩にしていて…

特にCメロからラスサビの流れが好きなんですけど、

出会った頃の幼いままの私は

あなたの記憶にしか もういないの

気怠い横顔はやく 向き直してよ

気付いて欲しい…このBRACELET外れる前に

 

夢見てた硝子の靴が

時が過ぎ つま先から ひび割れてしまう

変わらないあなたのとなり

見知らぬ明日を 探しはじめている

 

惰性じゃなくて 夢を見たくて

「自由」にまた憧れて

振り切りたくて 涙が落ちて

離せないのは私で

 

もう待てなくて 踏み出そうとして

思い出が手に絡まって

繋がれている 煌めいてたBRACELET

ブレスレットのことを「煌めいている」ではなく、「煌めいてた」と過去形で表すのがまた…ヒリヒリするんですよ…歌い方もそこまで強いわけじゃないんですけど、秘めている寂しさとか、やるせなさがとても伝わってくるので、好きなんですよね。全然こんな経験ないんですけど。

奈々さんの歌唱力、は筆舌には尽くせないくらい上手いのはもちろん当然なんですけど、技術的な巧みさだけではなく、こういった感情の足し引きのバランス感覚も素晴らしいなと思います。きっと幼少からの演歌レッスンの賜物もあるでしょうし、役者としての芝居部分もあると思いますが、いろんな意味で他の歌手では聞けない歌が奈々さんにはあると思うんですよね。カバーされることも多いですが、技術的に満足できても、表現のところで満足できないことが多いです。

ミュージカルではないので、歌に感情表現はいらないという意見もなんとなくわかるんですけど、これは好みの話ということで。

 

もうまあまあ長いんですけど、最後のトピックスとして…

次に自分の中で再生回数が多かったのは、矢吹俊郎さんの作詞されている曲でした。タイアップはついてるんですが、38thシングル【NEVER SURRENDER】に収録されている『GET BACK』です。

表題曲と一緒に「劇場版 魔法少女リリカルなのは Detonation」のために作られた曲です。表題曲は主題歌、『GET BACK』は挿入歌でした。曲名を和訳すると「取り戻す」。そのまんま、操られている大切な人を取り戻そうと戦う場面でかかる曲なんですけど、歌詞もめちゃめちゃ好きなんですがイントロのピアノがたまらないんですよねー!本当に切実な、急いてしまう心を表しているというか…
矢吹さんの歌詞も格好良いんですよ。2番が好きです。

あの頃の張り裂けそうな 弱い僕を 変えてくれた

幸せを教えてくれた 満ち溢れる想い 今でも

 

大好きな 人です 込み上げる この気持ち

奇跡は起きない? 起こせば!と笑っていたよね

 

乾いた街を出て 望みを叶えましょう

そう引き返せないよ 目を覚まそう

後悔なんて 必要ないね 見つけよう2人の居場所

 

月夜に願います 今度は僕の番

もう負けやしない 迎えに行く

何が起きても ブレたりはしない

魂を この腕に 込めたなら 振り上げよう

もちろん、流れていた場面も込みで好きになってしまっているところはあるんですが…リリカルなのはにおける水樹奈々挿入歌シーンはどれも名曲かつ名場面になるのでね…。アニメ制作チームも楽曲チームも綿密に打ち合わせて作っている話をよく聞きます。脚本を全て読んでもらった上で作詞を依頼していたりとか。

矢吹さんは奈々さんの初期から楽曲制作に関わっている方です。『POWER GATE』とか、『New Sensation』とか、前出の『大好きな君へ』とか。名曲をたくさん書かれています。

矢吹さん曲だったら、『少年』は欠かせないです。初めて聞いた中学生くらいの印象と、今で全然違うんですよね。かっこいい大人の歌だなあと思っていたんですが、かっこいいだけじゃなく、自分にも言い聞かせてるようにも聞こえてきたというか。流されてしまうこともあるけれど、そうはならないようにしたいよね、みたいな。自分も大人になったのかもしれないなあと、改めて噛み締めたときに思いました。

 

曲を聴き始めたのが中学生、初めてライブに行ったのが高校生、それからもずっとずっと聴いてきた奈々さんの曲たちは、『少年』以外にも景色が変わった曲がたくさんあります。これから先も聴いていくし、また違う景色につれていってくれるんだろうなあと楽しみで仕方ないです。
ブログタイトルにした『HOME』で終わりにしたいと思います。これは作詞が水樹奈々さん。奈々さん作詞曲も80曲以上にもなり、どんどん魅力が増しています。フリガナがすごいで話題にもなりましたが、いまもすごいのもありますが、魅力はそこじゃなくて、作品にも心情にも寄り添う詞がいくつもあります。

『HOME』は、ライブの空間、ファンと一緒に作る空間への想いを綴っている曲です。いいんですよ…

 

めちゃめちゃ長くなってしまったんですが、このあたりで!

では~!

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